ものづくり理念
おかげ様をもちまして、当事業所は起業以来1年半を経過し、2年目に入ることができました。これもひとえに事業に関わって頂いた皆様のおかげと胸に刻んでおります。
まずは「ものづくり理念」と大層なコンテンツとなっておりますが、私の随想録であります。私が目指す「職人魂」と、「ものづくり」に関しての生い立ちを皆様にお伝えできればと思い記する事にいたしました。最後までお読み頂ければ幸いです。
私がものづくりの楽しさを意識し始めたのは21歳のころで、今から20数年もの前の事になってしまいます。きっかけはプレス会社のアルバイト時代に、壊れた金型の修理を手伝った事からです。面倒な事に駆り出されたなと思いながらも、何度か手伝っているうちに理屈がわかってくる、するとこれが楽しくなってしまい壊れる度に率先して修理の手伝いをするようになりました。
金型というのはとても興味深いもので、鉄でありながらとても繊細なものでプレス工の扱い一つで簡単に壊れてしまいます。そんな金型に魅了され、数年間金型の仕事をする中で、知り合いにより「注型」というものを知る事になります。それが約14年前のことです。
もともと性格が軟弱なため、柔らかい物に興味をそそられたのもあり注型の方へ進んでいきました。当時は夢に出てくるほと明けても暮れても注型をやりましたがものづくりの意識などなく如何に早く製品を作り納品するという事だけに集中していたように思います。
思い出してみると、子供のころから道具を使って何かをいじるのがすきだったような気がいたします。自宅の時計を分解して元に戻したり、学生時代には手を真っ黒にしながらバイクをいじったりしていました。きっと皆様もそんな記憶があるのではないでしょうか?ただ好きだったからいじっていただけで、それには大きな目標があったわけでもなく、意識していたわけでもありません。「したかった事をしていた」だけのあの頃、といった感じでしょうか。
実のところこの世界に入ったのも、ものづくりがしたいと思ったからではありません。たまたま入った会社に、信頼できる同僚や尊敬できる師匠がいて、その人のようになりたいという「憧れ」のような感覚が強かったと思います。どうにかして師匠に認められたくて、徹夜で仕上げた物を誉められた時でさえ自分がものづくりを好きなのだとは気付きませんでした。
今までお世話になった企業には、それぞれに良い部分があり、そしてそれぞれにこだわりがありました。注型に関してもまたそれぞれに違いがあるのですが、会社独自の技術となるのでそれらが公開されることはなかなかありません。意図した訳ではないのですが、運よく数社の型作りや注型技法などを目の当たりにする機会に恵まれ、良い部分を取り入れたものづくりに達することができました。
お客様には満足していただけるものづくりを提供していきたいと普段から精進する事を忘れず、不撓不屈の精神で取り組んでまいりたいと思います。
株式会社リアルライズ 代表取締役 川住 外志也